Question
Answer
精神分析、心理療法、カウンセリングはどうちがうのですか。
人間の環境への適応をめぐるさまざまな問題を理解し、解決を試みるという目的ではどれもほぼ一致していると思いますが、どのような資格の人が治療するか、どのような理論で問題を理解するか、どのような技法を用いて治療するかちがいます。
精神分析は医師フロイトが創始した精神医学(医療)の分野で、主に神経症を対象とし、無意識的な心因性の身体症状が出現する原因を探求して、それを意識化することにより治療しようとしたのが原点です。古典的な精神分析が廃れる一方で、時代とともに精神分析も進化し多くの新しい概念や手法が見いだされています。担い手は精神分析医という専門医です。
一方、心理療法も同様に深層心理を扱いますが、理解よりも目に見える効果をもたらす実践的技法を重視する立場の医師や教育者たちが確立していった比較的新しい分野で、技法としてはカウンセリングと(認知)行動療法が主体となっています。担い手は日本ではおもに臨床心理士(心理療法士)ですが、医師ということもあります。さまざまな社会不適応(非行、暴力、浪費、衝動行為、不安定な対人関係、不安定な感情、虚無感、孤独に耐えられない、災害後のPTSDなど)が治療の対象になります。心理療法の中で意識領域の言語的な話し合いの部分がカウンセリングですが、両者を同じような意味に使っている人も少なくないので神経質に区別する必要はありません。
精神分析も臨床心理学もそれぞれ何を重視するか視点の違いで多くの学派や手法がありますが、これはとりもなおさず人間の心の問題は複雑で、そのアプローチも多種多様でなければ対応できないということを反映しています。同じような症状に同じような療法を実践しても、ある人では有効で、別の人では無効ということがあるのです。スポーツ精神医学の問題への対処においても、選択できるレパートリーが多いほど適切なものが見つかる可能性も高くなります。
医師による治療なのですか。
はい。実力が発揮できないということ自体は病気とはいえませんし、医師でなければ解決できないとは考えませんが、クリニカ・プシカ・パルファでは、その解決に、心理カウンセリングや各種行動療法以外に、精神分析医学、コンサルテーション・リエゾン精神医学、心療内科、運動生理学など、できるだけ広範な知識と技法の中から最適なものを選択しようとしているので、すべてを包括するという意味では医学ということになります。臨床心理士が担う心理療法であれ、医師が担う心理分析的な心理療法であれ、クライエントとの関わりの中で心の反応様式や性格傾向に介入していくのでその責任の重大さと難しさは命を扱う医療に匹敵すると思います。
費用に健康保険は適用されますか。
いいえ、適用されません。全て保険適用外の自費診療です。
アマチュア選手はコンサルトを依頼できないのですか。
できるのですが、高いゴールを達成するにはそれなりの時間と経費がかかります。アマチュアでは成功の金銭的対価がないので費用対経済効果の観点から対象とはなりくいという現実的な制約があります。この点、欧米では強化費の一部を選手団の心理サポートに使ってトレーニング効率を改善していることも少なくありません。ということで環境次第では可能とお答えするにとどめておきます。
カウンセリングにコーチや家族も同席できますか。
いいえ。カウンセリング(面談)はクライアントと医師の1:1で行います。しかし、面談以外にもコーチやトレーナーも参加するミーティングが設けられ、プライバシー保護にも留意しつつ、必要な情報は共有し、共通認識を形成するようにします。もちろん、実地(練習・試合)でのフィードバック治療ではコーチとの協力が不可欠です。
治療上の一切の秘密は守られますか。
はい、完全に守られます。クライアントの要望により面談の場所や時間も任意に設定できます。
プロの演奏家を目指していますが、コンクールが苦手です。心理療法で改善できますか。
おそらく可能と思います。実際に音楽家のカウンセリングを行った経験はありませんが、コンクールと試合での心理的な負荷のパターンは類似の点も多いと推察され、演奏家においても同様のアプローチとトレーニングで本番のパフォーマンスの向上につなげることは可能ではないでしょうか。逆にスポーツ関係者が演奏家から学ぶことも多いのではないかと思います。
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